Tuesday, June 12, 2012

ニコンサロンでの例のアレについて少し

SD1 Merrill 50mm f1.4

先日ちょっとしたトピックになったのが、ニコンサロンでの写真展が中止になった事。
「中国に残された朝鮮人元日本軍「慰安婦」の女性たち」というタイトルで慰安婦の女性達を撮った写真展だ。聞く所によれば多くの抗議があったような話もあるし、ニコン側としては諸般の事情的なコメントを出すのみで、写真家の方には謝罪を申し入れたが、写真家には断られているというような話もある。
私自身この件についてどう思うかについて言えば、正直言ってこういう形で写真展が中止になるというのは解せないし、納得もしていない。別に慰安婦問題が韓国の言うようなかたちで日本が人さらいのような事をしたとか、20万人が犠牲になったとかいう話を信じている訳でもないし、受け入れている訳でもない。慰安婦と言った時に日本人慰安婦(当時は朝鮮系の人も「日本人」でしたけど)の存在が無視されがちな事にもどうかという想いはあるし、言いたい事は色々とある。しかしどんな思想や意見であれ基本的には表現の自由というものは確保されていなくてはならないと思うし。韓国政府の主張は間違っているかもしれないが、それと写真家が慰安婦についての写真展を開く事を中止に追い込むという事は別の話だと思うのだ。
ニコンサロン側だって当然審査の時に作品を見て、ステートメントを見て、その上で開催するだけの資格があると見て審査を通した筈だ。それなのに中止にした理由も説明しない。審査員のコメントもない。それはどういう事なんだと思う。
表現の立場に身を置く人達が抗議が来たからといって予定していた写真展を中止にするとか、その理由もオープンにしないとか、事なかれ主義的な態度をとった事に少しばかりがっかりしている。その写真家が謝罪を受け入れないというのも当然の事のように思える。

(基本的に政治的な話はしない事にしているし、したくはないのだが、写真表現と社会との関わりという事で考えると、決して小さいくない問題だと思ったので、簡単な所感として書かせて頂いた。)

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