Friday, August 06, 2010

「まにらで黄昏れ、酒を飲む」 その2

マニラのニノイアキノ空港に降り立つと、瞬間、ムワっとして空気に出迎えられた。
「ああやっぱりフィリピンは南国なんだな」
と日本との気温差(その時日本はまだ3月だった)にフィリピンを実感した。

さっそくタクシーに乗るため空港タクシーの受付に行き目的地であるオフィスの住所を伝える。結構ボッタくるらしいが俺にとっては初めての国だし、三田さんはそのあたりに頓着がないので安全も考えて空港タクシーにした。

乗り込んだタクシーの運転手に
「Please take us to this office.」
と言ってオフィスの住所が書いてあるメモを渡した。

オルティガスという所にあるそのオフィスに向かう途中、窓から町並みを眺めていた、
「結構汚れてて、煤けた感じだな。」
というのが第一印象だった。
椰子の木、青い空、極彩色でカラフル、何となく南国に対して持っていたイメージとは少し違って何となくモノトーン的に色を余り感じないといった印象を持った。

「どうだねフィリピンは?」
三田さんから突然聞かれたが、何と言って良いか判らず
「そうですね、まだ着いたばかりなので何とも。。。」
と曖昧に答えた。

やがてオフィスに着くとお世話になる別会社の社長(オフィスの一部を借りたり、現地職員を雇うのに助けてもらう)であるマイクが待っていた。
そのマイクの手引きで現地で当面暮らす事になる安ホテルの一室を案内してもらい、とりあえず皆で近くのレストランで食事をする事になった。

「ドウデスカ フィリピンノ リョウリハ?」
マイクは日本語が達者で、以前は日本でSEをやっていたそうだ。
「ええ、非常に美味しいですね。」
と答えたが、内心は「微妙」だと思っていた。
タイ料理やベトナム料理は非常に好きで日本でも何度も食べに行ったりしていたのだが、フィリピンの料理はそのどちらとも違って非常に独特な味付けだった。
結局あまり気が進まないフィリピン料理はソコソコにしておいて、主にビールを飲んでいた。
フィリピンのビールで有名なのはサンミゲールで何処のレストランに行っても大抵これしか置いていない。フィリピンでビールというとサンミゲールなのだ。
軽い飲み味で、クセがなく飲みやすい。フィリピンにいる間は毎日のようにコレを飲んでいた。

その後、とりあえずその日は仕事は抜きにしてホテルに荷物を置いて夜の繁華街を案内してくれるという話になり俺と三田さん、マイク、マイクの友人で繁華街へ出かける事になった。そしてこの時が結構大変だったのだ。

つづく

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